iPhoneやApple Watchを使っている方なら一度は聞いたことがあるかもしれません。「エクスプレスカード設定」という便利な機能。
でも、なんだか設定が難しそう…と感じている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そんな初心者さんでも安心して使いこなせるようにエクスプレスカードの基本から設定方法、トラブル時の対応、セキュリティ面までわかりやすく丁寧にご紹介していきます。
- エクスプレスカードの仕組みと対応カード(Suica・PASMO・ICOCA)を解説
- iPhone・Apple Watchでの具体的な設定手順を初心者向けに紹介
- 設定できない・反応しないトラブルへの対処法もカバー
- 紛失・盗難時のセキュリティや解除方法まで丁寧にフォロー
改札も支払いも一瞬!エクスプレスカードの魅力
Face IDやパスコードを解除しなくても、iPhoneやApple Watchをかざすだけで「ピッ」と反応。これがエクスプレスカードの最大の特徴です。特に通勤ラッシュや荷物の多い時、子連れの移動などでその便利さを実感する人が多く、まさに“ストレスフリー”な生活を後押ししてくれる存在。さらに、バッテリーが切れた状態でも一定時間は利用可能というのも心強いポイントです。
認証なしでスムーズに使える機能とは?
エクスプレスカード機能の最大の魅力は、「Face ID」「Touch ID」やパスコードの認証をしなくても、かざすだけで改札やレジを通れることにあります。たとえば、急いで駅に入るときや、荷物で手がふさがっているときなど、いちいち画面を操作しなくて済むのでとても便利なんです。
通常、Apple Payを使った決済や改札通過には端末のロック解除が必要ですが、エクスプレスカードに設定した交通系ICカード(例:Suica、PASMO、ICOCAなど)なら、ロックされたままでも一瞬で決済が完了します。この機能を使えば、まさに「スマート」に支払いが完結するというわけですね。
さらに、iPhone XS以降のモデルでは、電源が完全に切れたあとでも最大5時間程度はエクスプレスカードの利用が可能な「予備電力モード」に対応しています。つまり、バッテリーがゼロになっても、改札を通ることができる場合があるんです(ただし、バッテリー切れの直後に限られるので要注意)。
この便利な機能を使いこなせば、通勤・通学はもちろん、ちょっとしたお出かけもストレスフリー。まずは自分の端末にエクスプレスカードが設定されているか、次の章でチェックしてみましょう!
Suica・PASMO・ICOCAが対応!設定できる交通系カード
エクスプレスカードとして設定できるのは、Apple Payに対応している交通系ICカードのうち、主に「Suica」「PASMO」「ICOCA」の3種類です。これらは日本国内の鉄道会社が発行しているICカードで、全国の駅やバス、コンビニ、自販機など、非常に多くの場所で使える汎用性の高さが特徴です。
たとえば、関東圏でよく使われるPASMOやSuicaは、東京メトロやJR東日本の路線を使う人にとっては日常的な存在ですよね。一方、ICOCAは関西圏で広く普及しており、JR西日本を中心に利用されています。これらのカードをエクスプレスカードに設定すれば、改札での「かざすだけ通過」が可能になるんです。
ちなみに、Apple Payに追加するには、iPhoneの「Wallet」アプリから対象のカードを登録する必要があります。すでに物理カードを持っている方は、カード番号や氏名などの情報を入力することで簡単に移行できます。また、新しくモバイルSuicaやモバイルPASMOを発行することも可能です。
ただし、注意点として、エクスプレスカードに設定できるのは「交通系ICカード1枚のみ」となっています。つまり、複数の交通系カードを使っている場合は、どれかひとつを選んでエクスプレスモードに設定する必要があるということですね。この制限を知らずに「反応しない」と感じている方も意外と多いので、しっかり確認しておきましょう。
自分が持っているカードが対応しているか不安な場合は、Apple公式のサポートページで最新の対応状況を確認するのがおすすめです。
設定方法をステップで解説【iPhone/Apple Watch】
「エクスプレスカードって便利そうだけど、どうやって設定すればいいの?」という声はよく聞かれます。でもご安心ください。手順はとってもシンプルで、慣れれば数分で完了します。ここではiPhoneとApple Watchの両方に対応した設定方法を、初心者の方でもわかるようにステップごとに解説していきます。
iPhoneでエクスプレスカードを設定する手順
まずはiPhoneでエクスプレスカードを設定する方法からご紹介します。手順はシンプルですが、注意点もあるので1つずつ確認していきましょう。
右上の「+」ボタンをタップすると、カードの追加画面が表示されます。ここで「Suica」や「PASMO」などの交通系ICカードを選びます。新しく発行することも、すでに持っているカードを取り込むことも可能です。
その中にある「エクスプレスカード」の項目をタップしましょう。ここで先ほど登録したSuicaやPASMOなどのカードが表示されているはずです。
使いたいカードを選択すると、「エクスプレスカードに設定しますか?」という確認が出るので、「設定する」を選択。これで設定は完了です!
設定が完了すると、Face IDやパスコードを解除しなくても、改札やレジでiPhoneをかざすだけでスムーズに通過・決済が可能になります。これが「エクスプレスモード」と呼ばれる状態ですね。
ちなみに、エクスプレスカードは1枚しか設定できません。複数の交通系カードを持っている場合は、用途に応じてどれを設定するか考えておくとよいでしょう。

設定後に動作確認をしておくと安心です。改札やコンビニなど、対応している場所で問題なく使えるかを試してみてください。
Apple Watchでエクスプレスカードを設定する手順
iPhoneだけでなく、Apple Watchでもエクスプレスカードは設定できます。腕をかざすだけで改札を通れるので、iPhoneを取り出す必要がない場面では特に便利です。特に両手がふさがっているときや、荷物の多い外出時などに大活躍します。
Apple Watchに追加したい交通系ICカード(SuicaやPASMOなど)を選んで追加してください。追加が完了すると、Apple Watch上のWalletにもカードが反映されます。
表示された交通系ICカードの中から、エクスプレスカードとして使いたいカードを選択
「このカードをエクスプレスカードに設定しますか?」という確認が出たら、「設定」を選択。これでApple Watchでもエクスプレスカードの設定が完了です。



これで改札や対応レジで、Watchをかざすだけで使えるようになります。
設定できるのは、iPhone同様に交通系ICカード1枚だけ。Apple WatchとiPhoneで別々のカードをエクスプレスカードに設定することも可能ですが、同じカードを両方に登録することはできません(移動が必要)。
設定後はApple Watchを装着した状態で、改札機や読み取り機にかざして正常に反応するかを必ずチェックしておきましょう。接触不良や認識エラーを防ぐためにも、しっかり確認することが大切です。
設定後にすぐ使える状態か確認しよう
エクスプレスカードの設定が完了したら、「本当にすぐ使えるのか?」を確認しておくことがとても重要です。実際に改札や対応店舗で利用できなかった…というケースも珍しくありません。事前にチェックしておけば、当日慌てずに済みます。
確認の第一歩は、設定した端末(iPhoneまたはApple Watch)で「Wallet」アプリを開き、エクスプレスモードに設定されているカードに「エクスプレスカード」と明記されているかを見ましょう。これが表示されていれば設定自体は完了しています。
次に実地テストです。最寄り駅の自動改札や、Suica・PASMOに対応したコンビニのレジで、端末をスリープ状態のままかざしてみてください。うまく認識されれば問題なし。「ピッ」という音とともに通過や決済ができれば、エクスプレスカードとして正しく動作しています。
もしエラーが出る、あるいは反応がない場合は、以下のような点を再確認してみてください


また、駅の自動改札でうまく反応しない場合、改札機の読み取り位置にしっかりとかざせているか、端末ケースなどが干渉していないかも要チェックです。とくにApple Watchは内側センサーの位置によって認識しづらいこともあるので注意しましょう。
設定できない・反応しないときの対処法
「設定したはずなのに反応しない」「カードが追加できない」といったトラブルに直面したことはありませんか?そんな時も慌てなくて大丈夫。ここでは、エクスプレスカードの設定でつまずきやすいポイントとその対処法を、原因別に詳しく解説していきます。
エクスプレスカードが反応しない主な原因
エクスプレスカードを設定したはずなのに、いざ改札やレジでかざしても反応しない…そんな経験がある方も少なくありません。その原因は、設定ミスだけでなく、意外と見落としがちな点にあることも。ここでは、よくある原因を整理してみましょう。
- エクスプレスカードの設定が完了していない
- 端末の再起動後、認証が必要になる場合がある
- 通信エラーやOSの不具合
エクスプレスカードの設定が未完了なケース
設定したつもりでも、Walletアプリの「エクスプレスカード」欄でカードが選択されていないことがあります。特に、複数のICカードを追加している場合は、意図せず別のカードが選ばれていることも。設定状況を確認し、再設定することで解決することが多いです。
端末の再起動直後は認証が必要なことも
iPhoneやApple Watchを再起動した直後は、一時的にFace IDやパスコードなどの認証が求められるケースがあります。これはセキュリティ対策としての仕様です。再起動後、通常の認証操作を一度行えば、再びエクスプレスモードが有効になります。
iOSやwatchOSのバージョンが古い、または不具合
OSのバージョンが古い場合や、まれに一時的なソフトウェア不具合で認識しなくなることもあります。この場合は、端末を最新のiOSやwatchOSにアップデートし、再起動してから動作確認を行いましょう。それでも反応しない場合は、Appleのサポートセンターに問い合わせるのもひとつの手です。
設定できないときに確認したいポイント
エクスプレスカードの設定をしようとしても、なぜかカードが追加できない・設定ボタンが出てこないなど、思ったように進まないケースがあります。そんなときは、焦らずに次のようなポイントを順に確認してみましょう。
- iPhoneやApple Watchの対応機種かどうか
- 使用中のカードがエクスプレス対応か
- Walletアプリでカードが正しく追加されているか
iPhoneやApple Watchの対応機種かどうかを確認
エクスプレスカードは、iPhoneなら「iPhone 8」以降、Apple Watchは「Series 3」以降で使用可能とされています。古いモデルを使っている場合、設定自体ができないことがあるので、事前に対応機種かどうかを確認しましょう。
交通系ICカードがApple Payに対応しているか
Suica・PASMO・ICOCAなど、エクスプレスカードに対応しているカードを使っているかも重要です。その他の交通系カード(例:KitacaやTOICA)は、Apple Payでは非対応の場合があるため、公式サイトで対応状況をチェックしておくと安心です。
Walletアプリにカードが正しく追加されているか
意外と見落としがちなのが、Walletアプリ内でのカード追加手順。カード番号や利用者情報が正確に入力されていない場合、追加は完了していてもエクスプレスカードへの設定ができないことがあります。正確な情報で再登録するか、アプリを一度終了→再起動して試してみましょう。
バッテリー切れでも使える?iPhoneの予備電力機能とは
「バッテリーが0%になってもエクスプレスカードって使えるの?」と疑問に感じたことはありませんか?実は、iPhone XS以降の機種には“予備電力機能”というありがたい仕組みが搭載されており、バッテリー切れ後も一時的にエクスプレスカードが使用可能なんです。
具体的には、電源が完全に落ちたあとも、最大で約5時間程度はエクスプレスカードによる改札通過などが可能です。この機能は「リザーブパワーモード(予備電力モード)」とも呼ばれていて、通勤途中や外出時にバッテリーが切れてしまっても、改札を通れないという事態を防ぐことができます。
ただし、この予備電力機能は“すべてのエクスプレスカード機能”が使えるわけではなく、主に改札での通過や交通機関での利用を想定しています。コンビニなどでの支払いには対応していないケースが多く、あくまでも一時的なバックアップ機能と考えておくとよいでしょう。
また、バッテリー切れ後に使えるかどうかは、その時点での端末の状態にも左右されます。たとえば、長時間電源が切れていた場合や、極端な低温環境にいた場合は反応しないこともあるため、常に過信せずバッテリー残量には余裕をもって行動するのが安心です。
一見すると地味な機能ですが、エクスプレスカードを使いこなすうえでかなり重要なポイントです。予備電力機能があるおかげで、「スマホが電池切れで改札を通れない!」という緊急時の不安を減らしてくれます。
セキュリティ・解除方法・注意点まとめ
便利なエクスプレスカード機能ですが、「認証なしで使えるってちょっと怖くない?」と不安になる方もいるかもしれません。ここでは、紛失や盗難に備えた安全対策や、いざという時の解除方法、知っておきたい注意点についてわかりやすくご紹介します。
紛失・盗難時のリスクと対処法
エクスプレスカードの一番のメリットは「認証なしで使えること」ですが、それは同時にセキュリティ上のリスクにもつながります。もしiPhoneやApple Watchを紛失してしまった場合、第三者がそのまま改札を通過したり、買い物に使ったりする可能性もゼロではありません。
とはいえ、Apple製品には盗難や紛失に備えた安全対策がしっかりと用意されています。たとえば「探す」アプリを使えば、紛失した端末の位置を特定できるほか、リモートで「紛失モード」に切り替えることで、すぐにApple Payの利用を停止することが可能です。
さらに、万が一の悪用を防ぐために、SuicaやPASMOなどの交通系ICカードは、Apple IDにひも付けされているため、端末を無効化すれば連動してカードも無効になります。つまり、誰かが勝手に使い続けるという状況にはなりにくいんですね。
また、クレジットカードやデビットカードをエクスプレスカードとして登録していない限り、高額決済などのリスクは限定的です。交通系ICカードは残高が少額であることが多く、被害額も抑えられます。
それでもやはり不安な場合は、エクスプレスカード設定をオフにする、利用時は必ずロック解除するようにするなど、自分でルールを決めておくのが安心ですね。日頃から「探す」アプリの使い方や、万が一の連絡先も把握しておくと、いざというときに落ち着いて対応できます。
エクスプレスカードの解除手順(iPhone/Watch別)
「やっぱりエクスプレスモードはオフにしたい」「端末を売却・譲渡するから一度設定を解除したい」など、エクスプレスカードを解除するタイミングは意外と多いものです。解除方法はとても簡単ですが、iPhoneとApple Watchで手順が少し異なるので、それぞれ紹介していきます。
まずiPhoneの場合、設定アプリを開き「WalletとApple Pay」をタップ。その中にある「エクスプレスカード」メニューを選択し、現在設定されているカードを確認します。解除したいカードをタップすると、「エクスプレスカードの設定を解除」という表示が出るので、それを選択すれば完了です。
Apple Watchでの解除は、iPhoneの「Watch」アプリから行います。アプリ内の「WalletとApple Pay」を開き、「エクスプレスカード」の設定画面に進みましょう。こちらでも同じように、現在設定されているカードを選んで「エクスプレスカードに設定しない」を選択すれば、解除が完了します。
なお、解除したからといってカード自体が削除されるわけではありません。Walletアプリ内にはそのまま残るので、あとで再設定することも可能です。状況に応じてオン・オフを切り替えながら使えるのが、Apple Payの柔軟なところですね。
端末を初期化する前や、誰かに貸す・譲る場合などは、必ずエクスプレスカードの解除を忘れずに。特に交通系ICカードは個人情報や利用履歴も含まれているため、セキュリティ意識をしっかり持っておきましょう。
セキュリティを保つために知っておきたい3つのこと
エクスプレスカードはとても便利な機能ですが、認証なしで使えるという点で「本当に大丈夫?」と心配になる方もいるかもしれません。そこで、普段から意識しておきたいセキュリティ対策を3つに絞ってご紹介します。これらを押さえておけば、安心して日常使いができますよ。
- 「探す」アプリで紛失時の対策を準備しておく
- Face IDやパスコードの設定は必須にする
- 公共Wi-Fi利用時の通信には注意する
「探す」アプリで紛失時の対策を準備しておく
iPhoneやApple Watchが手元から離れてしまったときに備えて、「探す」アプリの設定は必ずオンにしておきましょう。位置情報の確認やリモート操作でApple Payの利用停止ができるので、被害を最小限に抑えられます。
Face IDやパスコードの設定は必須にする
エクスプレスカード以外のApple Pay利用時には認証が必要です。そのため、万が一端末を盗まれても、他のカードを勝手に使われるリスクは低め。ただし、そもそもロックをかけていない場合はセキュリティが無防備になってしまうので、Face IDやパスコードの設定は忘れずに。
公共Wi-Fi利用時の通信には注意する
駅やカフェなどで提供されている無料Wi-Fiは便利ですが、通信内容が盗み見られるリスクも。WalletやApple IDの情報を確認・変更する場合は、セキュリティの高い通信環境(4G/5Gや自宅のWi-Fi)を利用するよう心がけましょう。
まとめ:エクスプレスカード設定で快適なキャッシュレス生活を
エクスプレスカードは、通勤・通学や日常の買い物をぐっと快適にしてくれる便利な機能です。設定さえきちんと行えば、改札もレジも、スリープ状態のまま端末をかざすだけ。しかも、万が一のトラブルにも対応しやすいセキュリティ体制が整っているので、初心者の方でも安心して利用できます。
今回ご紹介した設定方法や注意点を押さえれば、もう「エクスプレスカードって難しそう…」と不安になることはありません。ぜひ一度、自分のiPhoneやApple Watchで設定してみて、その便利さを実感してみてくださいね。
よくある質問
- エクスプレスカードは複数設定できますか?
-
いいえ。エクスプレスカードに設定できる交通系ICカードは1枚のみです。SuicaやPASMOなど複数持っている場合は、使用頻度の高いカードを選んで設定しましょう。
- 端末の電源が切れていても使えますか?
-
iPhone XS以降の機種であれば、電源オフ後でも最大5時間程度はエクスプレスカードの利用が可能です。ただし環境や時間経過によっては使えなくなる場合もあるので注意が必要です。
- エクスプレスモードをやめたくなったらどうすればいい?
-
WalletアプリやWatchアプリから、エクスプレスカードの設定を解除できます。カード自体は削除されないので、いつでも再設定可能です。



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